三度の飯より〇〇(ほにゃらら)

 正直、私は食欲の波の谷にいない限り毎日三食食べたいし、月一の回らないお鮨も甘いチョコレートも、友人とつつく鍋もカフェの煌びやかなデザートも欠かせないし、夜に飲むココアの安心感と、珈琲の目覚めに紅茶の一歩進んだ日常に、羊羹と玉露の濃い味わいも欲しい。そういえば、母は必ずお菓子をお皿に出してくれるのにポテチだけは袋から直接食べてたな。

こうやって私には好きなものや事がたくさんある。土曜日に美術館と本屋を巡り、ふらりと展示会に入ってみたり、日曜日の生活を正すために作り置きや掃除に励むことも、途中で読書に逸れてしまうこともとても大切。

友人とたくさん語っては帰りたくないと尾を引きながら帰る帰り道も、花屋の前を通るのも。帰り道に月が見えると尚更至福。美術館で好きだと思った絵が同じ作者だった時や、本屋であの子が好きそうだなと思い浮かべる時。お菓子を焼いている間に洗い物を片付けて焼けていく香りを感じること。焼きたての摘み食いに、粗熱が冷めぬうちに紅茶を煎れて食べること。

 

春を待つこと。

春を待ち遠しく思うこと。

春を先取りすること。

 

チューリップを生ける花瓶を買わなければ。

春を盗んできたのだから。